UTO & FIVE FROM THE GROUND

SESSION OF UNDERCURRENT

FIVEが見つけてきたフランスの使い込まれた手仕事に、糸から縫い方まで全てにこだわったUTOさんの丁寧な手仕事を加えることで、一枚の布が持つ潜在的なチカラを最大限に活かしながら、新たなカタチを再構築するプロジェクト。
古い手仕事や手直しの後は極力そのままに、でも毎日の使用には支障がないように。
ただオリジナルを忠実に再現するのではなく、「らしさ」にこだわりながら、古いものと新しいもののイイトコドリを目指しています。

UTO  

岡山を拠点に、バッグやエプロンといった日々の道具を、自らの視点で考え、一点一点手作りに拘って制作している吉川朋典さん、友香さんのユニット。全ての商品の裁断、縫製、洗い加工まで、お二人で手掛けています。
GO to UTO x FIVE

KUMASUKE APRON

目の詰まったホームスパンのシーツや細かくギャザーが寄り、ダーニングが繰り返されたワークシャツ、貝やガラス、動物の骨で作られたボタンがついたペチコート・・・ヨーロッパ仕入れで、こうした古い手仕事に触れるたびに、頭の中に色んなカタチが浮かびます。このシーツをベースにして、このウエスト部分をポッケにして、、、
経年のヨゴレだったり手直し跡だったり、時間を重ねることで纏った魅力に軸足を置きながらも、現代の生活の中で最低限に不自由のない生活道具としての実用性を加えてカタチにしてくれないかなぁ。そんな思いから、UTOさんとのコラボレーションは始まりました。
お付き合いは早15年以上。カバンや鍋つかみ、クッションなどの生活道具からスタートして、エプロンは、ムスメが3歳の時。ファーストエプロンをお願いしたことから始まりました。ベルギーで見つけたシーツをベースに、保育園のコップ入れにしていたドイツの銀行袋をポケットに。この大きなドラえもんポッケは、フランスのエプロンによくある形ですが、ここではクマのぬいぐるみを入れるため。それから背丈が変わるごとにお願いして、いつしか4枚になり、今は大人用のエプロンでも大丈夫な身長になりました。この間、彼女がイラストを描いて素材を選び、UTOさんが手縫いで仕上げてくれた娘とUTOさんのクマスケエプロンも出来上がりました。

私たちが作るエプロンは、アンティークのエプロンから何度も話し合いと改良を重ねたパターンがベース。一見ミニマルなフォルムで無加飾のようでありながら、刺繍部分を残すように裁断し、時にはあえて、手縫いが目立つ裏側を使ったりしながら、細部にはたくさんの要素をこれでもかと詰め込んでいます。
イメージが、一つのカタチになることがこんなにも楽しい。それがずっと私たちの中に流れている。どのパーツに魅力を感じ、大切にしたいのかという部分において共通認識を持ち、幾度もセッションを重ねて新たなカタチに再構築していくことが出来るのは、経年の中で使われてきた素材が持つ力をリスペクトし、人と共に育つ布の道具を作り続けてきたUTOさんとだからこそ、可能なのだろう。
お尻までぐるりと隠れるくらい、たっぷりと布を使って、ちょっと長めの着丈が特徴のこのエプロンは、少し前屈みになってウエストをぎゅっと閉め、リブの部分は緩く垂れるくらいの余裕を持たせた方が、クッタリとした布の表情がさらに際立ち、首も凝らず、美しい作業着としてオススメ。
そして、表面的なヨゴレや小さなダメージは気にせず、使い続けることで生まれる表情が加わることで、私たちの考える「美しい」は、完成するのだと思っています。