SOMEHOW WE ENDED UP
IN THE MIDDLE OF NOWWHERE.
WHO WE ARE
FIVE FROM THE GROUND は、ヨーロッパを旅して見つけた古いモノを中心に扱っています。
ずいぶん前の話。
バックパックを背負って旅をしていた。東南アジア、インド、ネパール、東アフリカ・・・ その頃は色々な国の民芸品を扱う会社で働いていて、そこで初めて西アフリカのプリミィティブアートに触れることになった。木彫りのマスク、立像、くりぬきの椅子やベッド、布や生活道具、蜻蛉玉などの装飾品。何にそんなに惹かれたのかわからない。当時はそこに理由は求めなかった。ただ、美しいなと思っていた。荒削りだけれども、作り手の「何か」がこもっている。そんなアジアやアフリカの古い民芸品に触れていた10数年だった。
この店で、当時学生で、ケニアでフィールドワークをしていた奥さんと出会う。彼女も同じように、アジアや中東、アフリカとバックパックで回っていた。二人とも、それまでは、どこかヨーロッパを避けていた。冷たい、都会、高い、理由はそんなところだろう。
そして彼女がマリ行きのトランジットで渋々降り立つことになったパリの街から、今の FIVE は始まりました。
アジア、アフリカとは違った独特の浮遊感。フランス、イギリス、ベルギー、オランダ・・・ヨーロッパの古い街並みや教会は美しく、何よりカフェでのお茶や蚤の市でボロボロの「何か」を探すのは楽しかった。アフリカの木皿から、フランスのピューター皿へ。ジェンネの泥のモスクから、ブリュッセルのグラン=プラスへ。今まで見て来たものとは異なる美しさ。1000年前のものが街中にある凄さ。アジア、アフリカは素朴で無意識な美しさだったが 、ヨーロッパは長い歴史を経て圧倒的に創られた美しさだった。どちらが優れているということはなく、どちらも土地や歴史、文化の結晶なのだと思う。
そうして私たちは鎌倉でお店をはじめ、ヨーロッパの蚤の市を歩き回ることになった。行く度に自分たちの好みや思考も変わり、手に取るものも変わっていく。自分たちもモノと同じように 経年変化していく。それでも「何か」を探す基準は変わらない。ただ美しいと思えるもの。古さはそれほど気にしない。ボロボロが楽しい。
ヨーロッパに旅に行く生活を続けて10数年経ち、住み慣れた街も、お店も、人も、わたしたちも変わっていく中で、ずっと心の奥で燻っていたある思いがあった。そんな時に、洞爺湖という場所に出会いました。針葉樹の森に囲まれ、でも牧草地の抜け感もあり、前には湖。様々な国の美しさを経て、ずっと自分たちが思い描いていた景色。いつかの自分たちがしてみたいと思った暮らし。そんな思いを忘れてしまう前に ボロボロのワゴンに色んなものを詰め込んで 北に進路をとりました。
洞爺湖に来てから、美しいと思える瞬間が確実に増えました。どこかに行くのではなくとも、日々の暮らしの中から美しい景色を切り取ることが出来る場所。ヨーロッパの古いモノを扱うことに変わりはありませんが、これからは洞爺湖の美しさで「何か」できないかとあれこれ考えています。とりあえず今は家づくり(遊び場作り)の毎日です。(これがなかなか進まないのだが!)このサイトではそんな生活も、少しずつですがお伝えできればと思っています。